寄せワンは、グリーンを外したところからアプローチでピンの近くに寄せ、1パットで入れることです。グリーンの外から2打でカップに入れる、と言い換えることもできます。パーオンを逃したホールでパーを拾うための大事な技術で、英語では up and down と言います。日本語の「寄せワン」はスコアを問わない言葉ですが、英語の統計で使う言葉にはスコアの条件が付くものがあり、意味が少しずつ違います。
寄せワンの意味と使い方
「寄せて1パット」を縮めた言葉です。次のような流れが寄せワンです。
- パー4で2打目がグリーン横のラフに止まる → 3打目のアプローチで1メートルに寄せる → 4打目のパットが入ってパー。
- パー4で3打目がグリーン手前に止まる → 4打目を寄せる → 5打目のパットが入ってボギー。
どちらも寄せワンです。日本ではパーを拾う場面で使うことが多いですが、ボギーやダブルボギーでも「寄せワンでボギーにまとめた」のように使います。バンカーから1打で出して1パットで入れることは、「砂イチ」やサンドセーブと呼ばれます。
なお、チップイン(グリーンの外から直接カップに入れること)は1打で入っているので、寄せワンとは呼びません。
英語の up and down・サンドセーブ・スクランブリングとの違い
英語には似た言葉がいくつかあり、条件が違います。
| 言葉 | 意味 | スコアの条件 |
|---|---|---|
| 寄せワン | グリーンの外から寄せて1パット | なし |
| up and down | グリーンの外から2打で入れる。寄せワンとほぼ同じ | なし(パーを拾う場面で使うことが多い) |
| sand save(サンドセーブ) | グリーン周りのバンカーから2打以内で入れる | ツアーの統計ではスコアを問わない |
| scrambling(スクランブリング) | パーオンを逃したホールで、パーかそれより良いスコアで上がる | パー以上が条件 |
英語の up and down は、”I got up and down.”(寄せワンで上がった)や “up and down for par”(寄せワンでパー)のように使います。
スクランブリングは寄せワンより範囲が広く、グリーンを外したあと、2打で入れても、チップインでも、パーかそれより良ければ成功です。逆に、寄せワンでもボギーならスクランブリングには数えません。
プロの寄せワンはどれくらいか
米国PGAツアーは、スクランブリングとサンドセーブの割合を公式の記録として出しています。
- スクランブリング:ツアー平均はおよそ60%前後で、年間1位の選手は70%前後。トッププロでもグリーンを外した3回に1回ほどはパーを取れていません。
- サンドセーブ:ツアー全体ではおよそ50%前後で、上位の選手は60%台後半。バンカーから2打で上がるのは、プロでも半分ほどです。
日本の男子ツアー(JGTO)にも、グリーンを外したホールでパー以上を取った割合を示す「リカバリー率」や「サンドセーブ率」の記録があります。アマチュアの場合、寄せワンが18ホールで数回出れば、スコアは大きく変わります。
寄せワン率を上げる練習
寄せワンは、寄せる技術と短いパットの両方がそろって初めて決まります。
- 転がせるところは転がす。グリーンまで障害物が無ければ、球を上げるより、パターや短いアイアンで転がす方がミスの幅が小さくなります。アプローチショットは、まず転がしを基本に考えます。
- 落とし所を決めて打つ。ピンを直接狙うのではなく、「ここに落とせばあとは転がって寄る」という場所を決めてから打ちます。
- 1〜2メートルのパットを繰り返し練習する。寄せが良くても、このパットが入らなければ寄せワンになりません。練習グリーンでは長いパットより短いパットに時間を使います。
- 寄せワンゲームをする。グリーン周りの違うライ(ラフ、花道、バンカー、上り・下り)から1球ずつ打ち、そのボールを最後までパットして、2打で入った回数を数えます。9か所で何回できたかを毎回記録すると、上達がわかります。
ラウンド中は、寄せる前にグリーンの傾きを見ておくことも大切です。下りのパットを残すより、上りの1.5メートルを残す方が入りやすいので、寄せる位置はカップの下側を狙います。グリーンの読み方も合わせて身につけておきましょう。
東南アジアのゴルフ場で寄せるとき
インドネシアやタイ、マレーシアのゴルフ場は、暑い地域に合った芝が多く、芝目(芝の向き)が強く出る場所があります。順目と逆目で、アプローチのボールの止まり方や、クラブが芝から抜ける感じが変わります。グリーン周りでは、球の転がり方が日本のコースと違うと感じることがあるので、スタート前の練習グリーンで転がり具合を確かめておくと安心です。キャディが付くゴルフ場なら、”Which way is the grain?”(芝目はどっち向き?)と聞くと教えてくれることがあります。