トム・ファジオ(Tom Fazio)

生年月日
1945年2月10日
出身
アメリカ・ペンシルベニア州ノリスタウン
設計会社
Fazio Golf Design(1972年に独立/フロリダ州ジュピター)
公式サイト
faziodesign.com
設計コース
200コース以上
受賞
オールド・トム・モリス賞(1995年)

トム・ファジオ(Tom Fazio、本名 Thomas Fazio)は、1945年2月10日にアメリカ・ペンシルベニア州ノリスタウンで生まれたゴルフ場設計者です。フィラデルフィア近郊のゴルフ一家に育ちましたが、大学で設計を学んだわけではありません。17歳だった1962年に、すでに設計者として活動していた叔父のジョージ・ファジオの現場に入り、造成の手伝いから仕事を覚えました。図面よりも先に、土木・土壌・植栽・見積りといった現場の実務を身につけたことが、のちの仕事の土台になっています。

1972年にフロリダ州ジュピターで独立し、自身の設計事務所を構えます。サウスカロライナの Wild Dunes(1979年)やカリフォルニアの The Vintage Club(1980年)で評価を固め、フロリダの PGA National Resort(1980年)、同じくフロリダの Lake Nona Golf & Country Club(1986年)と作品を重ねました。名前を決定的にしたのは、カジノ経営者のスティーブ・ウィンと組んだネバダ州ラスベガスの Shadow Creek です。砂漠の平地に起伏と水と数万本の樹木を持ち込み、周囲から隔てられた別世界のような景色をつくり出したこのコースは1989年に開場し(開場年を1990年とする資料もあります)、ファジオの名刺代わりの一作になりました。作風は、あらかじめ決めた思想を土地に当てはめるのではなく、土地の条件と施主の優先順位に合わせて形を決めるという考え方に立っています。本人は、コースの良し悪しを決めるのは長さよりも幅だとも語っています。

新設と並んで、既存の名門コースの改修・助言の仕事も多く手がけてきました。1990年代後半からはジョージア州の Augusta National Golf Club のコンサルティング設計者を務め、7番や11番の改造など、マスターズの舞台の変化に深く関わっています。ノースカロライナの Quail Hollow Club には1997年から継続して関わり、ニュージャージーの Pine Valley Golf Club でも長年にわたり手を入れてきました。国外ではアイルランドの Adare Manor(2015年に改造)やドミニカ共和国の Corales Golf Club(2010年)などがあります。

これまでに手がけたコースは200を超え、そのうち46コースが『ゴルフダイジェスト』誌の全米ベスト200に入っているとされます。同誌の「Best Modern Day Golf Course Architect」には3度選ばれ、1995年には全米ゴルフコース管理者協会(GCSAA)が贈るオールド・トム・モリス賞を、設計者として2人目に受賞しました。2000年には自らの設計論をまとめた『Golf Course Designs』(キャル・ブラウンとの共著)を出版しています。事務所は家族に引き継がれつつあり、息子の T. ローガン・ファジオが社長を、甥のトム・ファジオ2世も設計者として活動しています。2025年に80歳を迎えたあとも、アメリカ国内のほかイタリアやドバイの案件に携わり、現役を続けています。

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